JUGEMテーマ:健康

筋肉を考えるシリーズ、第一回目は胸鎖乳突筋です。

胸骨という胸の中心にある骨の上縁および前面、それから鎖骨の内側1/3に起始を持ち、そこから側頭骨の乳様突起および後頭骨の上項線に停止を持ちます。要約すると、鎖骨・胸骨・後頭骨・側頭骨をまたいで付着している、頭頸部では比較的大きく存在感のある筋肉です。この筋肉は上位頚神経に加え、脳神経の一つである副神経の支配を受けていることが特徴です。
血液供給は後頭動脈・後耳介動脈・肩甲上動脈・上甲状腺動脈から受けており、胸鎖乳突筋のすぐ内側には大切な頸動脈が走行していることも臨床上の注意点です。
交通事故などでのムチ打ちによる損傷を受けやすい筋肉であり、損傷時には筋肉内に血腫を生じる場合があるために注意が必要です。さらに斜頚性筋短縮を生じる原因となる筋肉であり、治療の一つのターゲットになることがあります。

また忘れてはならないのが、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用によって過負荷を与えてしまう筋肉の代表格だということです。胸鎖乳突筋が過剰な緊張状態に陥ると、前頭部、後頭部、目の周囲や耳の内部に痛みを生じる場合があります。このような現象を筋筋膜性疼痛症候群(別名称もあり)といい、痛みが原因となる筋肉の部分から離れた部位に飛び火することを生じることがあります。一般的には、デスクワークを長時間していると頭が痛くなる、目の周りが痛くなるなどの症状がこのケースに該当することがあるため、問診と身体評価での鑑別が必要です。

カイロプラクティック治療の視点では、頭蓋骨、頚椎、肩甲帯(鎖骨・肩甲骨・上腕骨・胸骨)を中心とし、顎関節、舌骨などの機能障害(歪み)を改善させる、異なる視点では胸鎖乳突筋の過緊張を緩和すること、拮抗筋や共同筋の関係を整えることがベーシックなところでしょうか。いずれにせよ、「驚嘆すべき複雑さ」というサブネームを持つ胸鎖乳突筋。頚肩腕部症状以外のケースにおいても、複雑なリンクを持ってくる筋肉ではないでしょうか。

T.ISHIKAWA

次回予告:筋肉を考える 頭頚部2 斜角筋を考える

富山県富山市の国際基準取得カイロプラクティック・整体は石川カイロプラクティック
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