JUGEMテーマ:健康

筋肉を考えるシリーズ、今日は「斜角筋」です。


斜角筋は首を横方向に傾ける時に使われる筋肉で、呼吸においても役割の大きい筋肉です。前項でご紹介した胸鎖乳突筋の奥側に隠れるように位置しています。斜角筋は3本(前部斜角筋、中部斜角筋、後部斜角筋)ないし4本(最小斜角筋)から形成されています。これらは頚椎の横突起に起始をもち、第一・第二肋骨に停止を持ちます。この筋肉には「圧迫・絞扼する筋」というサブネームが付いています。この斜角筋のうち、前斜角筋と中斜角筋の筋間には腕神経叢(腕の神経の束)と鎖骨下動脈が走行するため、斜角筋の過緊張などのトラブルによって、これら神経と血管を圧迫・絞扼する可能性があるのです。これを「斜角筋(絞扼)症候群」といいます。日常的に役割の多い筋肉だからこそ、トラブルメーカーでもあるのですね。

斜角筋は前項の胸鎖乳突筋と同じく長時間のデスクワークなどで首に負担をかけると悲鳴を上げる筋肉の代表です。首の痛みや肩こりに続き、腕の痛みや痺れが出現したら、斜角筋(絞扼)症候群の可能性を考える必要があります。※頚椎椎間板ヘルニアなどを主とする他の原因も十分に考えられますので詳細な鑑別が必要です。

また、斜角筋が腕に走行する神経・血管を直接圧迫していなくても、斜角筋自らが腕や手・背中などに痛みを飛び火させる場合もあります。いずれも斜角筋を正常な状態に回復させることが必要になります。

ほんの一例ですが、たとえば厚みのある枕を使用して仰向けで普段から寝ていると、頭の位置が高くなっていますから、その分背中の上の方が持ち上がる形になり、後頭部と首の後ろ側で上半身の体重を支えるようなバランスになってしまいます。すると、この斜角筋が過度に引き伸ばされた状態が続き、大きなストレスをかけるわけです。起床時から首や肩の重だるさや痛みがある場合は、睡眠時間中ずっと首にストレスをかけている場合が多いようです。

また日常の臨床から思うことは、顎関節にトラブルを抱えている人は、自覚症状の有無に関わらず斜角筋の過緊張を伴っているケースが少なくないようです。元来から頚椎と顎関節は密接な関係にありますから、例え斜角筋(絞扼)症候群のケースなどにおいても、他の関係する部位を治療のターゲットに含めることが、根本的な改善に功を奏することがあるようです。

T.ISHIKAWA

次回予告:筋肉を考える 頭頚部3 上部僧帽筋を考える

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